CompassPoint (コンパスポイント) ~若手社会人の情熱の魔法瓶~

What we do 活動内容

CP31

原点回帰。久々にゲストスピーカーをお呼びする形式のコンパスポイントの集いが、12月11日(日)に開催されました。今回は「ゆいまーる照屋さんから思い切り刺激をもらおうの会」ということで、NGOゆいまーる代表の照屋朋子さんをお招きし、彼女のライフヒストリーや団体の軌跡を伺いました。照屋さんの情熱・行動力・包み込むような語り口調に魅了され、講演後のワークショップはかなり盛り上がりました。では、当日の様子を簡単にお伝えします!

1.なぜこの活動を始めたか

高校を辞めてフリーターになることも考えていた時に、元青年海外協力隊の先生が主催したモンゴルのマンホールチルドレンの写真展を校内で見た。その写真に写る子どもたちの姿に衝撃を受け、高校を辞めることを思い直し、ボランティア活動と学業に打ち込むようになる。その後、ボランティア活動の支援地域はカンボジア・アフガン難民支援・沖縄地域活性化など、どこか地域を限定するのではなく、色々と携わった。そして「法整備支援をする」と決めて早稲田大学に入学し、途上国支援の学生団体に参加した。

大学2年のとある授業で、「自分が一生かけて成し遂げたいこと」を真剣にプロジェクト化するキッカケがあった。その時に「一点突破」という考え方に触れ、それまでの全方位的なサポートをする思考を変え、「もっと現場を知ろう」と腹をくくりモンゴルへ行った。そこで孤児院「太陽の子どもたち」に住む子どもたちに出会う。そして、自分よりも他人を優先する子どもたちにほれ込み、大学時代はモンゴル支援に費やした。

その後、「法整備支援家(弁護士)」になるため、大学院に進学。しかし入学1ヵ月後に、35名の子ども達が残っているモンゴルの孤児院が、資金がショートし経営危機の状況にあると知る。そこで自分の全財産寄付をし、開発コンサルとしてODA関連の仕事をしながら仕送りをする生活を始める。しかし、実際働き始めると自分の生活のための稼ぐだけでも必死になり、自分ひとりでサポートすることに限界を感じてNGOを立ち上げた。

2.マンホールチルドレンの実態と孤児院「太陽の子どもたち」

モンゴルの社会背景としては、ソ連崩壊後に失業率が6割を超え、親の失業・育児放棄・児童虐待が増加した。その結果、ウランバートル(大都市)であれば生き延びられるだろう、ということで都心に放置されたり、子ども自身がアル中の親から逃げ出したりと、様々な理由でマンホールチルドレンが増えていった。

その対策として、モンゴル全土で約43の孤児院があると言われており、その1つがNGOゆいまーるが支援している「太陽の子どもたち」という孤児院。40名の子どもたちが生活をしていて、家事は子どもたちで分担し、10畳部屋に10名が生活している。「家族のような経営」をモットーにしているこの孤児院では、院内に芸術学校も設置し、1名の常駐スタッフと4名の派遣スタッフが日々子どもたちの芸能指導を行っている。そんな日々の鍛錬の成果を、日本で開催するコンサートなどで子どもたちは披露している。

コンサートに出演する約15~20名の子どもたちは公演中、日本の一般家庭にホームステイをする。実はこれが子どもたちにとっての一番の楽しみであり、大きな成長のキッカケになっている。例えば、バター君という子どもは、風呂上りに風邪引くよと頭を拭いてもらったことに母の愛情を感じて、よく笑うようになった。またそのエピソードを現地に帰ったら周りの子どもたちに話し聞かせるため、「また日本に行きたい」という思いが芸を磨くモチベーションになっている。

3.今後の照屋さん

2012年からはゆいまーる専業になるので、より活動を活性化させていきたい。そして五年後の目標としては、(1) マンホールチルドをモンゴルからなくす(2) モンゴル全土43施設にいる1,150名の自立支援をするを実現していきたい。そしてゆくゆくは、世界中の子どもたちが安心して生活でき、自己実現できる社会を実現したい。

4.Q&A

Q1)孤児院卒業後、子どもたちはどうなっている?

A)20名が卒業、17名が大学、3名が職業訓練校に進学

Q2)孤児を日本に連れてくることの悪影響はないか?

A)日本の支援者が物を与え過ぎてしまう傾向あり。それによって、本来は質素な生活スタ

イルなのに、新しい洋服をもらうと古い服を捨ててしまうようになる。

Q3)モンゴルでの子どもに特化した法整備支援の現状は?

A)福祉分野の法整備をJICAは実施していない。世銀は強化していくとのこと。

Q4)大学時代やってよかったこと/遣り残したことは?

A)やりのこしたことはない。とにかく「世界を知りたい」と思って勉強していた。興味ある

授業は出まくり、結果1~5限出ていた。

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この後、ゆいまーるが抱える課題についてワークショップを実施し、面白いアイディアがたくさん出てきました!今後コンパスポイントとしても、照屋さんを応援していきたいと思っています。今後の彼女、そしてゆいまーるの活動から目が離せません。