3月6日に、サービスグラントとコンパスポイントで、
第20回コンパスポイントの会&プロボノ・ラウンジを共同主催しました!
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1. サービスグラント代表 嵯峨生馬さんのお話
2. 米国Taproot訪問記 (コンパスポイント共同代表:小沼大地)
3. サンフランシスコのNPO訪問記 (サービスグラント岡本さん・田島さん)
1.サービスグラント 嵯峨生馬さんのお話
こんにちは、嵯峨です。ちょっと風邪気味で、変なハスキーボイスですが笑、こういうオシャレな場所で、食事をしながら、飲み物を飲みながら、気軽な感じでやっていきたいと思っています。
受付で、茶封筒をお配りしたのですが、これは、昨年主催したプロボノイベントで作成した寄付用の封筒です。寄付なので、強制的ではないので、このイベントが面白かった、サービスグラントやコンパスポイントに頑張って欲しいと少しでも思っていただけたら笑、ご協力お願いします。
なんかあれですよね、今日の内容だけ見ると、「アメリカかぶれの連中の会」な感じがしますよね笑。カリフォルニアって名前がたくさん出てくるし笑。カリフォルニアのTaprootという団体を訪問して、小沼さん、岡本さんが感じたことを話してもらうんですが、プロボノ活動を日本でどう展開できるかも含めて考えて行きたいと思っています。
○なぜプロボノ? なぜサービスグラント?
私は、2つのNPOの代表をしています。
一つは、サービスグラント。もう一つはアースデイマネーという団体です。アースデイマネーは、2001年に立ち上げ、この秋で10年目をむかえます。長寿NPOになりつつありますね笑。実は、このアースデイマネーでの活動を通じて感じたことが、サービスグラントの活動につながっているのです。
○アースデイマネーでの活動を通じて感じたこと
アースデイマネーとは?
地球や街にいいことをするとその人にも、参加するお店にもいいことがある、みんなの「いいこと」が「つながる」仕組みです。社会や環境に貢献する活動に参加した人たちは、アースデイマネーをもらい、それが参加店で使えるといったような仕組みです。例えば、渋谷周辺の花壇の手入れのプロジェクトや、原宿表参道のゴミ拾い活動、廃食油を回収してディーゼル燃料に再生する活動、受刑者との手紙を通じた交流を行うプロジェクトを今まで行ってきました。プロジェクトに参加した人たちは、アースデイマネーを獲得し、参加するカフェや雑貨店で割引や特典を受けられることになります。
身近な場所でボランティアに参加すると、アースデイマネーがもらえる。それでお店に行くと割引や特典が受けられる。実際参加してみるための背中押しになればいい、という思いで始めました。
パンフレットやアースデイマネーの紙幣をデザイナーにデザインしてもらったり、一見華やかそうに見えるんですが、運営をやっていると、実際はとても心細かったんですね。創立当初の2001年、2002年は、地域通貨が注目を浴びていて、アースデイマネーにも注目が集まったのですが、どうしても流行りとかあるので、その後は、運営者としては、とても心細く感じていました。
○運営者として感じたNPO支援体制の課題
アースデイマネーを運営していて、「運営を手伝いたい!」と言ってくれたけど、実際は2度と来てくれなかったり笑、参加したい人は多いのだけど、運営を手伝ってくれる人が少なかったり、悩みもありました。 あとは、支援してくれる人がいても、その人に頼りすぎるとボトルネックになってしまうと感じたこともあります。その人に意思決定権が移ってしまったり、その人に依存する体制になってしまったり。
NPO支援の多くが中途半になりがちではないか、と感じましたね。アイディアだけ出されても、実際その実現に動いてくれる人が少なかったり、少額のお金なのに作業の手間だけかかるプロジェクトが進んだり。
NPO支援は、本当に難しいなと思います。NPO支援の仕組みは、日本ではまだまだ研究の余地があるな、とアースデイマネーの活動を通じて感じました。まだその当時は、日本ではNPOの認知度は低かったと思います。もっと気の利いたNPO支援のカタチはないのか、という問題意識を持つようになったのですね。
○Taprootとの出会いとサービスグラントの立ち上げ
以前、日本総研で働いていたときに、日本とアメリカのNPOを比較研究する機会があって、サンフランシスコのNPOを訪問しました。たまたま訪問したNPOが、とある支援団体によって、ホームページを作成してもらっていました。そのホームページを作成した支援団体が、Taprootだったのですね。そして、日本に返ってTaprootを調べたら、目から鱗でした。その時見たTaprootのホームページには、Volunteering Redefinedと書いてあるのを読みました。Taprootの提言する新しいボランティアのカタチは、参加者がスキルや時間を提供し、またそういう参加者が集まることで生まれるシナジーを利用して、着実と成果を出す、というものです。こういう支援があったときに、NPOの運営者は、めちゃくちゃ助かるな、とその時強く感じましたね。
そして、その後実際に、Taprootを訪問しにアメリカへ行きました。Taprootの創業者は、アーロン・ハーストという人で、もともとIT企業のマーケティングをやっていたようです。まるで仕事のようにボランティア活動をしている人たちを目の当たりにして、「面白そう」、「楽しそう」と感じました。
Taprootは、2001年にスタートし、今まで、なんと、1000個以上のNPOを支援してきました。サービスグラントは、それに比べれば、まだ規模は小さいですが、日本で徐々にプロボノを広めようとしています。
ボランティアは、場合によっては、ものすごい力と効果を発揮する、と感じています。参加者からスキルや時間を引き出し、それを成果に繋げるシステムを如何に構築するか。それには、とても工夫が必要だと思っていて、その観点から、Taprootは非常に参考になると思っています。
2.Taproot訪問記(コンパスポイント共同代表 小沼大地)
こんにちは、コンパスポイントの共同代表の小沼大地です。
○コンパスポイントの活動内容の紹介
まずは、コンパスポイントについて、ここで簡単に紹介させてください。
僕たちは、サービスグラントほどしっかりした組織ではなく、仲いい人たちが始めた、という感じです笑。でも、一応問題意識を持ってコンパスポイントを創立しました。
情熱を持つ若手社会人には、「いきなり情熱を行動へと移した人」がいる一方で、「将来のため、まずは実力・スキルを磨こうとしている人」たちも沢山いるのではないでしょうか。
しかし、残念ながら、後者の人たちの情熱は、いつの間にか冷めてしまうことも多いのではないでしょうか?また、その結果として、既に行動している前者の人たちが孤独な状態になってしまうことも少なくありません。
そこで、情熱を持つ人たちが集い、語り合う場を創り出すことで、情熱を持つ全ての人が、互いに刺激を与え合いながら情熱を保ち続けることができるようになるのではないかと、私たちは考えました。コンパスポイントは、若手社会人が胸に秘めた志をカタチに変えることをサポートする「情熱の魔法瓶」になることを目指して活動しています。
創立当初は、NPOの代表者や社会起業家を招待し講演会をしていただき、あとは、参加者同士が交流できるワークショップを実施していたのですが、2年間活動をしているうちに、徐々に、アクションを起こしたい、実際にアウトプットを出したい、と感じるようになりました。そこでプロボノ活動を支援することを昨年から開始しました。さまざまなスキルを持っているメンバーたちが、今では実際にプロジェクトを推進しています。
○Taprootとの出会い
僕は外資系のコンサルティング会社で働いているのですが、英語ができない人は、半年間留学できる制度があるんです笑。実は昨年結婚したので、新婚旅行も兼ねて半年間アメリカに語学留学に行きました。そして、NPOにもとても興味があるので、アメリカの色々なNPOを訪問しようと思い、TapRootをインタビューしてきました。今では、TaprootのTシャツを着ちゃうまで、ファンになってしまったのです笑。
○Taprootの活動内容
Taprootの活動内容を簡単に説明させてください。
様々なビジネススキルを持つビジネスパーソンと、それらスキルを必要としているNPOのマッチングを行い、プロジェクトの企画とその責任者の任命等の機能を果たしています。
Taprootに関する3つの数字を紹介させてください。
「7,200」
これは、今までTaprootに登録し、実際に活動をした人数です。
「70万」
これは、これまで、参加者がプロジェクトに注いだ総時間です。
「58億円」
これは、なんと、今までの活動の結果もたらした経済効果の金額です。
僕は、これら数字を見て、本当にすごいな、と感じました。
このTaprootを始めたのは、アーロン・ハーストという人です。
どういうビジョンで初めたのでしょうか? 実は、アメリカにも日本の海外青年協力隊のような活動があって、ピースコと呼ばれるのですが、その団体を立ち上げたのがアーロンさんの祖父だったのですね。アーロンさんは、このピースコの理念と活動にとても共感したそうなのですが、一方でビジネスの視点に欠けるのではないか、もっとNPO支援に活用できるのではないか、と感じたようです。僕も実は、海外青年協力隊の一員として、シリアで活動経験があるのですが、同じようなことを感じました。
○嵯峨さんとの出会い
今回、Taprootを初めてコンタクトした時に、担当者にこう言われました。「以前にも君のような日本人がいた。まずはその人に会いに行きなさい」、と笑。その日本人が、嵯峨さんでした。なぜか、アメリカにいる自分が、日本にいる嵯峨さんにメールしました笑。その返信が、「ちょうど、12月にプロボノイベントを原宿でやるので、その時の使うインタビュー映像を撮って来て欲しい」という無茶ブリでした笑。
→タイミング良すぎたよね(嵯峨さん)
○Taproot訪問を通じて感じたこと
実際にTaprootにインタビューに訪れて、感じたことが4つあります。
1.集まる人のスキルの高さ
Taprootのオリエンテーションにいったときの話です。参加者は、40、50代の人が多いのに驚きました。20、30代の参加希望者も多いようですが、ビジネススキルが足りない場合が多く、選考で落とされるそうです。なので、このオリエンテーションでも、企業のマネジャークラスが多く、とても驚きました。例えば、外資系コンサルでパートナークラスの方もいました。
2.プロジェクトデザインの秀逸さ
プロジェクトのミーティングの一つに参加したのですが、ミーティングの進め方、アイディアの抽出方法、議論の組み立て方等々、すごくしっかりやっているのに驚きました。企業のミーティングに見劣りしないくらいキチッと進めていたので、本当に驚きました。プロジェクトには、プロジェクトオフィサーが必ず任命され、プロジェクトをどう進めるべきか等々、文書で定められているようです。それも、かなり詳細に書いてあって、例えば、「チームが出来て最初は、みんなまだ緊張しているので、ピザパーティーから始めよ」みたいなレベルまで書いてありました笑。
3.高いモチベーション
日本のプロボノ参加者の動機って何がありますかね?例えば、一般的な動機としては、社会貢献したい、人脈を広げたい、今まで培って来たスキルを会社に還元したい、といったところでしょうか。
アメリカでは、ちょっと日本とは違う動機の人たちに何人か会いました。
例えば、24歳の会計士の女性。
彼女は、障害者の施設の人事システム改定のプロジェクトを担当していましたが、そのプロジェクトの中では、かなり年齢が若く、他メンバーのほとんどは、40、50代のより経験がある人たちでした。彼女の動機は、「ビジネススキルを学びたい」ということでした。プロボノが、「スキルを学ぶ場」になっている訳ですね。
もう一人は、40代のシステムエンジニアの男性。
彼は、子供のボランティア活動をきっかけに、最初は植林を始めたそうですが、自分のデータ管理のスキルを活かしたいという思いから、プロボノを始めたようです。今の彼の動機は、人脈を構築することだそうです。それは、ただ交流したいというレベルではなく、今後の転職に有利になる、という視点なんですね。
もう一人は、失業中の女性です。
彼女は、もともと人事担当のマネジャーだった。しかし、この不況で失業し、失業中にスキルをキープするために、プロボノ活動をやっているようです。「スキルをキープする場」としてのプロボノなんですね。これも新鮮な考えでした。
ちょっと脱線しますが、「失業者が多い」というのは、なかなか肌で感じられないと思いますが、Taprootにいる人達と話して、それを実感しました。実は、Taproot参加者の2、3割は失業者で、仕事が見つかるまでプロボノ活動をしているといった人たちも、少なくありませんでした。プロボノ活動の背景には、失業もあるのだと感じました。
4.4%の弱み
ここで、もう一つ数字を紹介させてください。
「96%」
Taprootのサービスを受けたNPOのうち、96%がそのサービスに満足したと回答しています。一方で、残る4%は、Taprootのサービスには満足いかなかったようです。
たまたま、僕が訪問したTaproot支援先のNPOは、プロボノ・チームのマネジャーが半年間で3人も変わってしまい、支援先のNPOはかなり懲り懲りしたようです。実は、失業者がマネジャーを務めていたので、再就職の度にマネジャーが変わってしまったようです。プロボノ活動をしている人たちの一部は失業中の人たちなので、彼らが再就職した際には、このような問題が起きるのですね。これは、一つの問題点だな、と感じましたね。また、プロボノ参加者は当然本業で働いている人たちも多いですから、みんなとても忙しく、例えばミーティングを開催しても、日程が合わず、人が集まらない、といった課題もあるようです。
このような課題もありますが、NPOとビジネスを繋ごうとするTaprootの活動にはとても共感しています。僕も同じような問題意識を共有しているので、Taprootに出会えてよかった、今後このような組織を応援したいな、と強く感じました。
3.サンフランシスコ訪問記(サービスグラント 岡本さん、田島さん)
どうも、こんにちは、岡本と田島です。
このセッションは、完全に息抜きゾーンにして、是非リラックスして聞いてくださいね笑
(岡本さん)
私は、前職の仕事でイベントを通じて嵯峨さんと知り合い、サービスグラントの仕組みや理念に共感し、これを広げていくことに貢献したいと思って、思い切ってサービスグラントに転職しました笑。
(田島さん)
今は学生ですが、週1でサービスグラントのオペレーションを手伝っています。大学の研究で、嵯峨さんにインタビューしたのが、サービスグラントとの出会いでした。
実は、今年大学を卒業予定で、卒業旅行の行き先をみんなと考えていたんです。そしたら、嵯峨さんにサンフランシスコを勧められ、田島さんと急遽サンフランシスコに行くことになりました笑。
【サンフランシスコでの活動】
①Board Matchの視察
Board Matchというイベントを視察してきました。Board Matchとは、理事を獲得したいNPOと理事になりたいビジネスパーソンをつなぐ仕組みで、いわばNPOとビジネスパーソンのお見合いの場を作っているイベントです。
NPOの理事とは、簡単に言うと、「NPOの役員」ですね。会社でいうと、意思決定の担う取締役といったところでしょうか。団体の最終的な意思決定機関です。
今回視察したBoard Matchのイベントには、サンフランシスコのベイエリアから120団体が参加していました。環境、教育、人権、さまざまな分野のNPOが参加し大変賑わっていました。2時間くらいのイベントだったのですが、1000人もの人たちが参加していました。ビジネスパーソンや会社を引退した人たちが多かったですね。
○会場の様子
会場では、NPOがブースを構え、参加者が興味あるブースを回り、「ここは!」というNPOにはコンタクト先や個人情報を残して行く仕組みでした。
また、経験豊富なアドバイザーが参加者のニーズを聞き、アドバイスをしたり、相談に乗るスペースもありました。
○参加者にインタビュー
私たちは、参加者の何人かにインタビューを実施しましたので、ここで簡単に紹介させてください。
参加者①
仕事:ストラテジーマネージャー
社会人経験10年(コンサルタント、銀行)
関心分野:女性問題、子ども
参加動機:「理事に興味があり、ボードマッチはNPOが一堂に集まるので参加しやすいから」
参加者②
仕事:CPA 会計士
関心分野:若者の教育
参加動機:「経験も増やしたいし、自分のスキルをNPOに還元したい。
僕の会社では、NPOと仕事をしているパートナーもいるし、会社も歓迎している」
参加者に共通しているのが、「スキルアップする機会」を求めているということでした。「NPOに対してプロボノすると、自分のスキルアップになる」と言う参加者が多かったのが印象的でした。
○Board Matchの成果
このイベントは、非常に成果があるようです。
昨年に比べ、NPOの参加数は、114団体→120団体、参加者数は、700人→1000人へ伸びているようです。また、参加した7割のNPOが、1名以上の理事を獲得出来ているようです。
日本では、なかなか感じられない熱気を感じましたね。イベントは非常に盛り上がっていて、サンフランシスコのNPO熱を感じました。
プロボノをやるのが当たり前で、会社もそれをサポートする、といった風土を肌で感じました。
②Taprootの活動見学
○Taprootのサービス内容と規模
Taprootには、人材開発、戦略策定、IT、マーケティング、施設デザイン等、多種多様なサービス内容があります。
Taprootの人材担当者にヒアリングしたところ、毎日10通の応募メールがくるそうです。そうすると、年間で、約3600人もの人が毎年新たに登録していることになります。サンフランシスコのベイエリアのみで、14件のプロジェクトが構築中、59件のプロジェクトが進行中、444件のプロジェクトが完了したようです。
○ミーティングや研修の見学
社会人経験10年以上のビジネスマンがプロジェクトを成功に導くリーダーとして品質管理を担当します。この日は、ディレクターの研修現場を見学しましたが、参加者の貫禄と経験豊富さに圧倒されました笑。
また、青少年犯罪者の社会復帰を支援するNPOを支援するプロボノ・プロジェクトのミーティングを一つ見学しました。NPOからの要請は、
子どもたちに渡すパンフレットと、資金調達用のパンフレットのデザインと作成でした。ステークホルダーが多すぎて情報が混在し、オーナーシップを持って整理する人が不在という課題に直面するこのNPOを、プロボノで支援するものです。
また、もう一つ参加したミーティングは、チャータースクール(公設民間運営)の戦略的な効果測定を策定する為のものでした。既に、3カ年の戦略計画を立てているが、何によって成果を図るか、最終的なアウトカムの設定のイメージが共有できずに詰まっているという組織に対して、客観的な視線で情報整理を支援しようとするプロボノでした。
他に参加したミーティングでは、低所得者層を対象に、ITスキルのトレーニングプログラムを受けてもらうことで、収入を増やす、というプロジェクトで、拡大に伴う人事組織の立上と強化を協議していました。
○感じたこと
NPOが抱える悩みは、会社が抱える悩みとあまり変わらないな、と感じました。だからこそ、ビジネスで、そして会社で培ったスキルは、NPOでも活用できると感じましたね。
サービスグラントの理念と目指していることに、とても共感しています。
2010年は、プロボノ元年です。皆さんも、Do it Probono!
後半は、ワークショップを実施しました!
ワークショップのテーマ:教育、貧困、地域、仕事
各テーマに対して、興味があるテーマ・グループに分かれ、下記内容について話し合ってもらいました。
1.各分野における課題は何か。
2.課題解決に関連するプロボノ支援先は?
3.具体的にどのようなプロボノができるのか。
(嵯峨さん)
これらテーマを話題にしながら、交流のきっかけになれば、と思っています。
プロボノは、日本ではまだまだ発展の余地があります。
例えば、教育でいうと、小学校に対してプロボノをするという案も考えられますね。今でも小学校でボランティアの人はいますけど、彼らは責任感を持ってやっている分、疲弊していく場合が多いようです・・・学校の先生やボランティアの方々に疲弊されては困りますよね。おそらく人の組み合わせ方とか、そういうのが大切なんだと思っています。どういう課題があるのか、それに対して何をどうできるか。そういったことを話し合っていけると嬉しいです。
各チームから案をここで簡単に紹介します!
【貧困チーム】
○NPOがアウトリーチできていないところにアウトリーチできるマンパワーの提供のようなプロボノがいいのではないか。
○国内路上生活者をプロデュースし、目標を立ててあげて、その過程をドキュメンタリーにして、認知度を上げることで、支援するのもありでは?
【仕事チーム】
○サービスグラントの話が中心だった。本業の仕事にあまりにも熱中してしまい、自分の世界が閉じてしまう、という懸念を持つ人が少なくないようです。プロボノ活動は、世界を広げられるし、スキルも身に着くと思うし、さまざまなバックグランドを持つ人とプロジェクトを推進できるし、いいなと思います。プロボノのプロボノであるサービスグラントを存続させて行く為の資金調達面でのサポート等、興味があります。
【地域チーム】
○地域の課題は、①地域の関係の希薄化(自治体の弱体化、孤独死、子供と高齢者の関係希薄化)、②商店街の荒廃(郊外型商店にかなわない)だと思っています。よって、地元愛に基づいたNPOや地元の商工会議所を対象に何か支援できないか、と考えました。例えば、リーダーの育成プログラムです。成功の鍵は、やはり、ちゃんとしたリーダーがいるかどうかだと思います。他地域の成功例を共有したり、スキルを持った人たちのつながりを創出したり、出資者と地元のつなぐことで、支援できることがありそうと感じました。
○地域活性化の成功モデルを共有できる仕組みを作るようなプロボノはどうだろうか。各地域のNPOではなく、それらを繋ぐネットワーク型NPOを支援対象に、WEBを活用した質の高いマッチング、成功事例のデータベース作成などが意義高いのでは。
【教育チーム】
○NPOと恊働したい学校を対象に、NPOの学校支援の成功事例を紹介するようなプロボノはどうか。九州の自治体で成功事例がある。放課後に公民館に生徒が集まれる場を構築し、一緒に宿題をやったり、元校長先生がそこで教えていたりする。その地域は、この仕組みを作って以来、生徒の学力が格段と向上したようです。このように成功事例を紹介するHPを作成するプロボノがいいのでは。
○教育の課題は、①教師の疲弊、②地域の交流の希薄化、③セイフティネットの認知の低さだと話しあいました。①教師のアウトソーシングや支援NPOのマッチング、②シニアコミュニティと学校のマッチング、イベント開催、③学校で、セイフティネットの告知ツールの作成、などの案がでました。
【嵯峨さんの講評】
ようやく最近プロボノという言葉が浸透してきたと思っています。最近では、プロボノに対する支援を考え始める企業のCSRも少なくないです。
アメリカでは、地域の財団が、Taprootに寄付をしています。そのような仕組みが日本でも広まれば、サービスグラントも継続しさらに拡大できると考えています。実は、日本各地からサービスグラントの支援要請もあるのですが、なかなかそこまで手を回せない、というのが現状です。そういう事情もあり、「地域」をワークショップの一つのテーマにしました。
プロボノという言葉が徐々に広まりつつあります。アイディアとかあれば、是非サービスグラントに来てほしい、もちろん自分たちでも始めてもいいし、今後も情報交換させて欲しいと思っています。
以 上