CompassPoint (コンパスポイント) ~若手社会人の情熱の魔法瓶~

What we do 活動内容

CP19

2010年2月21日(日)、青山スタジアムプレイスにて、株式会社HASUNA代表取締役の白木夏子さんを迎えて第19回コンパスポイントを開催しました。今回もまた、日曜の朝から異様な熱さの会となりました!

Ⅰ. コンパスポイントの今年の方針
Ⅱ. 白木さんのお話
Ⅲ. 「CP ACTION」に向けたワークショップ
(↑クリックすると各コンテンツに飛びます)



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Ⅰ. コンパスポイントの今年の方針

3年目の1発目ということで、まずは今年のコンパスポイントの重点項目をコンパスポイント事務局いいともから発表しました。昨年末に、CP18でメンバーからもらった貴重な意見をベースに、事務局で色々と考えて、2010年は、以下の点に重点を置いてやっていきたいと思ってます。

先駆者を招く講演会は、従来どおり、今後も継続します!
・みなさんからの意見の中で、「刺激」というキーワードが非常に多かったです。
・今後も講演会を継続して欲しいという要望が多かったので、2010年も継続してやります!

CP ACTION」体制を整える!
・2009年の一つの特徴は、「実際にActionを起こすことができた」ということだと思ってます。
TFTプロジェクトをはじめ、多くのプロジェクトが立ち上がりましたよね~
・2010年も、Actionのきっかけ作りと、Actionを起こしたチームのサポートを充実させます!

仲間同志の交流を活性化させます!
・もっと仲間と交流したい! もっと仲間のことを知りたい! というコメントがとても多かったです。
・2010年は、「オフの場」もしっかり増やしていきますよ~!

SNSを始めます!
・メンバー向けに、FacebookでCPメンバー限定コミュニティを作りました!
・ここで意見交換や交流を増やしていこうと思います。是非Facebookへの参加を!

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Ⅱ. 白木さんのお話


白木夏子氏
1981年鹿児島生まれ、愛知育ち。2002年から英ロンドン大学キングスカレッジにて、発展途上国の開発について学ぶ。卒業後は国連人口基金ベトナム・ハノイ事務所とアジア開発銀行研究所にてインターンを経験投資ファンド事業会社を経て、2009年4月HASUNA Co.,Ltd.設立。同社代表取締役就任。現在、Ethical(環境や社会に配慮をした)なジュエリーブランドを中心とした事業を展開。

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私は、まだ昨年株式会社を立ち上げたばかり。同世代の人との交流の場が少ないので、今日は本当に楽しみにしていました。また、お話をしても「すごい!すごい!」で終わってしまうことが多いので、今日のように一緒に課題を共有して動いていける場にワクワクしています。

HASUNAは、「輝く人と、世界のために(For humanity and the brilliant world)」を掲げたエシカル・ジュエリー(エシカルは「道徳的・倫理的」という意味)のブランドです。

HASUNAのホームページ(オシャレなウェブサイトで、必見です!)

環境や人・社会に配慮をした素材を使用したジュエリーをコンセプトにビジネスを行っており、現在は、ブライダル・ジュエリーの制作販売と、フェアトレード素材を使用したジュエリーの制作販売の2つの事業を行っています。このビジネスを通じて何を達成したいかはまた後で説明するので、まずはこれまでの歩みについて話させて下さい。

国際協力への目覚め

私の第一のターニングポイントは、18歳のときでした。

私は大学受験の時に色々とありまして受験を放棄してしまい(笑)、結果的に志望校には落ち、短大に入学することになります。入学後、このままではダメだと思い、自分のやりたいことを模索するようになります。

その中でフォトジャーナリストの桃井和馬さんと出会い、そこで紛争・森林破壊などの問題を知って衝撃を受けました。これまでも教科書などで少しは知っていた話でしたが、実際に現地で活動されている方からの生の話を初めて聞き、大きな刺激を受けました。自分の悩んでいることなどは小さいことだと気づき、国際協力の活動に興味を持つようになったんです。それと同時に、どうすればこうした活動を仕事にできるのかと考えて悩み始めました。

結局、悩んでいても仕方がないと、話を聞いた数カ月後にはフィリピンへの旅行を決意します。フィリピンでは、ゴミ山の問題を目の当たりにするなど、途上国がどういう場所であるかを実感しました。「ああ、私はこういう人達のために何かをしたいんだ」と、ここで決心することができたんです。もう一度大学に入り直して、国際開発を勉強しようと決めたのです。

フィリピンから帰国後、ロンドン大学へと入学することになりました。そこで国際開発を選考したのですが、徐々に机上の空論のような国際援助の議論に疑問を抱くようになります。もっと途上国を肌で知ることが必要だと思い、1年目が終わった後にはインドで2ヶ月間滞在します。ここで多くの被差別部落を巡る過程でカースト制度の問題に衝撃を受けて、再び自分は何をすべきかを考え始めるようになりました。

「日本人として、先進国として、一体何ができるんだろう?」

そうした疑問について、とにかく迷いました。多くの課題を見て、いったい何から手をつけていいのか、分からなくなったんです。ただ、自分が小さなNGOに入っても、世界を変えるようなことはできないのではないか...。そのようなことを漠然と考え、もっと社会のシステムを本質的に変えられる場所に行きたいと思うようになり、国連への就職を目指すようになりました。


ビジネスの力を使え

第二のターニングポイントは、24歳のときでした。

ロンドン大学を卒業後は、国連でのインターンを目指しました。ありとあらゆる機関への申し込みを50件近くして、なんとかベトナムのハワイで国連人権基金でのインターンをできることになったんです。ここでは、HIV/AIDSの啓蒙活動プロジェクトを半年間行いました。

この間に、援助業界にいる人とのたくさんのネットワークができて、色々な人と色々な話をしました。そうした援助業界で頑張る熱い人たちに感銘を受ける一方で、そうした人たちが1%にも満たない世の中では、世界はよくなっていかないのではないかとも考えました。

「果たして援助だけで貧困はなくなるのだろうか...」

そうした疑問が、自分の中に湧き上がってきました。1%の熱い人ではなく、むしろ99%の普通の人たちを動かさなければ世界は変わらないと思ったのです。

「そうだ、お金だ。ビジネスだ」

その時に、そう閃いたんです。

2006年にベトナムから帰国すると、将来的には起業することを目指し、日本のビジネスの社会で経験を積むために就職活動をすることを決意します。「経営者の目線を感じられる」、「全体が見渡せる小規模な会社である」、「金融を学べる」という3つのキーワードで就職先を探し、結果的に投資ファンド事業会社での勤務を始めることになります。

時はバブル絶頂時。日本の不動産に投資する外国人投資家の手助けをするため、働いて働きました。毎日倒れるまで働いて、体にビジネスを叩き込む日々でした。「バカ、死ね、あほ」と呼ばれながら、厳しい日々を過ごした記憶があります(笑)

しかし、その後の金融恐慌で不動産バブルは崩壊し、徐々に仕事量が少なくなっていきました。それをキッカケに、私は次のステップを目指すようになります。


ジュエリーを通じた社会貢献

そして第3のターニングポイントは、26歳のときにやってきました。

会社が傾き始めた頃から、「これから自分は何をやっていくべきなんだろう」と考えるようになりました。自分で色々な事業プランを考えて、色々な人と相談する日々を過ごしました。その中で、実現可能性が低いアイデアを削除していき、最終的には「ジュエリー」というキーワードが残ったんです。

もともと母がファッション・デザイナーをしていたことに加え、自分自身もファッションがとても好きでした。学生時代からネットショップで手作りジュエリーの販売もしていたくらいです。

でも一方で、自分の大好きなジュエリーの裏には、ダイヤモンドや金の鉱山などで多くの搾取が行われていることに問題意識を覚えました。先進国の裕福な人のために、発展途上国の人たちが、児童労働や不当な条件での労働を強いられているという現実に気付かされたのです。ジュエリーは愛や絆の象徴であり、自分にとっても大事なもの。そして人を輝かせるもの。それなのに、裏にこんな不幸な現実があるべきではないと強く思いました。

ジュエリーを通じてもっと「人」と「世界」のためにできることがあるんじゃないだろうか?ジュエリーを通じて、「悲劇」ではなく「輝く人」を生み出したいと思ったんです。

そして、調べてみると、この分野で動いている人は日本にはいない。もう、自分がやるしかないと思いました。

それからは、夜の時間を利用してジュエリーの学校に通うなど、1年間を起業準備にあてました。そして、会社の早期退職者の募集を機に、私は投資ファンドを退職し、株式会社HASUNAを起こしました。27歳のときでした。



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HASUNAで達成したいこと

株式会社HASUNAでは、現在2つのビジネスを展開しています。

①ブライダル・ジュエリーの制作・販売 

1つ目は、結婚指輪・婚約指輪などといったブライダル・ジュエリーの制作・販売です。フェアトレードの金や再生プラチナ、カナダ産・ナミビア産のエシカル・ダイヤモンドなどを使用しています。また、デザインからお客様と一緒になってオーダーメイドで作っていくのが大きな特徴です。2010年4月からは、オーダーメイド以外の、ブライダルのコレクションラインも発売します。

②フェアトレード素材を使用したジュエリーの製作販売 

こちらは、青年海外協力隊のネットワークなどを利用して、ベリーズ・ルワンダ・ミクロネシアなどの現地の人々と一緒に、現地の素材を利用してジュエリーを制作・販売しています。例えば「旅コレクション」は、ジュエリーの素材が産まれた国々を旅している感覚でジュエリーを身につけられるラインナップです。HASUNAでは、素材を仕入れている現地の雰囲気をデザインの中に必ず入れ込むようにしています。

私は、社会運動には2つのやり方があると思っています。1つは、「〇〇問題を撲滅しよう!」という撲滅型のやり方。もう1つは、有機野菜が広まっていったような、社会により多くの選択肢を提供していくことによって徐々に広めていく「ジワジワ浸透型」。HASUNAでは、エスカル・ジュエリーという選択肢を提供することで、「ジワジワ浸透型」で変革を起こしていきたいと思っています。

創業間もないHASUNAですが、話題性のあるプロダクトということで、百貨店などでも注目してもらえています。一方でまだまだ課題も多いので、後半のワークショップで皆さんと課題を共有して、これから一緒に何かをやっていければいいなと思っています。

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質疑応答

Q. 何がHASUNAの強み/訴求ポイントだと考えていますか?

A. ブライダル・ジュエリーの訴求ポイントは、やっぱりエシカルであることです。「身につけている人だけではなく、作っている人たちも笑顔になる」ことを売りにしていきたいと考えています。また、彼女に内緒でプレゼントしたいという男性のお客様と、彼女への想いや、彼女さんの写真を見ながら一緒に作っていくなど、コミュニケーションをしながら「世界に1つだけのデザイン」を創り上げていくことも、HASUNAの強みの1つです。

一方で、フェアトレードジュエリーの方は、デザインが全てです。百貨店に来るマダムたちに社会的意義を訴求しても駄目でした。マダム向けには、彼女たちを「いかに美しくできるか」ということに軸足を置いて販売しようと心がけています。ただ、エシカルであるということは、どの商品を購入するかで迷っているお客様に対する最後の一押しにはなっていると思います。

Q. 消費者の側の世界を変えていきたいという活動、本当に素晴らしいことだと思います。一方で、生産者側の世界はどのように変えていきたいのですか?

A.現状では、ベリーズ・コロンビア・ミクロネシア・インドネシアの4カ国が主な取引先です。HASUNAとしては、これらの国々の人たちに「現地の人たちに誇りを持ってもらうこと」を一番の目的にしています。

現地のお土産物屋さんにチョコンと置かれるだけではなく、日本の目の肥えた消費者たちが身につけていているということで、現地の職人さんたちには誇りを持ってもらいたいのです。実際、「あなたのつくった製品は日本で色々な人に愛されているよ」と伝えることで、現地の人たちは誇りを感じてくれています。

私自身としても、素材を削ったり磨いたりという作業は、彼らにしかできない大変だけど素晴らしい作業だと思っています。HASUNAでは、そうした途上国の職人さんたちの素晴らしい仕事を尊いものであると考え、地球上からなくしてはならないものだと考えています。

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Ⅲ. 「CP ACTION」に向けたワークショップ

コンパスポイントの今年の方針でも触れたように、今年は、ワークショップでアイデアを出すことで勉強会を実際のプロジェクトに繋げる「CP ACTION」に重点的に取り組んでいきます。今回のCP19でも、白木さんと事前に決めた4つのテーマに沿ってディスカッションが行われ、様々な素晴らしいアイデアが生まれました。




①HASUNAの広報戦略
②HASUNA主催イベント
③HASUNAのブランディング
④起業・NPOとのコラボレーション


全てのアイデアはここでは書ききれませんが、広報戦略チームでの「直営店を作った方がいい」というアイデアや、イベントチームでの「社会人ファッションショーの開催」というアイデア、ブランディングチームの「購入した人のブログやSNSの活用」というアイデアなどは、特に白木さんも面白いと感じてくださったようです。

今回出たアイデアだけに限らず、白木さんとコンパスポイントでは、さまざまな切り口からプロボノプロジェクトを始めようと考えています。最後にも、白木さんからは「コンパスポイントの皆さんと一緒に動いていきたいです!よろしくお願いします」というお言葉を頂きました。

HASUNA×コンパスポイントで、面白いことを仕掛けていけるといいですね。白木さん、どうもありがとうございました!!

そして最後に、今回の企画の運営をを手伝ってくれた最強メンバーのトモオ、まいこ、マッキー、本当にどうもありがとう!