夏ですね。
前日のうっとおしい天気がうそのように晴れわたった空の下、CP15の幕があがりました。
今回は「『深める』プログラム」の第3弾。
"マイ・ロード"~ボクらの選んできた道と、これからボクらが歩む道~というテーマで、
小沼志緒さんと石川祥平さんのふたりにお話をしてもらいました。
ところで、CP15では前回までとは趣向を変え、新しい試みをしました。
第1部は「スピーカー×パネラー×会場」横断型のセッション。スピーカーの話にパネラーが色々と突っ込んで膨らんだ話題を、会場に投げてワークショップをやってしまおう、という試みです。
第2部は「全員で輪になって語らおう」の一体型セッション。
↑ファシリテーターとして全体をコーディネートする大事な役目はけんいちくんが担ってくれました。
それでは第1部。
1人目のスピーカーは、今、人生で初めてのまわり道をするというしおさん。
この8月で外資系金融機関を退職し、旦那様である我らが大地くんと、
半年アメリカへ渡ります。(寂しくなりますね...)
『私の生きる道』と題し、モットー、キャリア、これからについて語ってくれました。
モットー。
やるならやらねばのモットーのもと、「一度始めたことは最後までやりきる」のがしおさんのスタイル。それは、キャプテンを務めた中高のバスケ部、副将を務め4年生まで現役で走り続けた大学のラクロス部の取り組みからも感じることができました。
既に小学校高学年の時に、人は努力をしていかないと前に進まない生き物なのだと自覚したそうです!
双子の妹さんがいることも大きく関わっているようですが、価値観や信念は、家族や学生時代の環境・経験によって形作られていったようです。
キャリア。
いわゆる「高給/激務」の4年ちょっとを過ごした中で見出したことを話してくれました。女性として働く上で大切に感じていること、対等/媚びない/甘えないなどのキーワードが、強い女性、しおさんらしさを象徴していました。向上心・向学心が、人を成長させる重要なポイントだとも添えていました。
これから。
「もっとクリエイティブなことがしたい」と言うしおさんにとって、今関わっているTFTのお弁当箱プロジェクトなどは今まで以上にやりがいがあるとのこと。(CP12のゲストスピーカー小暮真久さんが代表を務めるTable for twoとのプロジェクト。CPの「カタチにする」のひとつですね)
仕事を辞めても、やはり、やるならやらねばの精神で毎日ひた走っているんですね。
将来は、トップではなくNO.2のポジションに在りたいと口にしていました。
忘れてはならないのが旦那様である、我らが大地くんの存在。日々の仕事に忙殺される中、虚無感に襲われることもあったというしおさんの隣で、常に問いかけ、鼓舞してくれたことは、大きな力になったとも語っていました。
結婚・退職・渡米と大きな転機を迎え、これからまた新たな道へ走り出している姿はいつにもまして凛としていました。
2人目は、しょうへいさん。カタールから一時帰国中です。
印象的な写真を使って、終始にこやかに語ってくれました。
北海道で建築を専攻していた学生時代。
大学での勉強の仕方に違和感を覚えていたある日、高橋歩さんの本と出会います。
この、鳥肌が立つような出会いに後押しされ、アジアをバックパックの旅へ。
カンボジアでお金も尽きたとき、日本語を教えるかわりに、その日を暮らすのにも精一杯の人々からごはんや寝る場所を与えてもらうという経験をして、衝撃を受けたそうです。
自分(日本人)であるというだけで、できることがある。
青年海外協力隊でモンゴルへ。
カンボジアでの体験がきっかけとなり、「今しかない!」と協力隊へ応募。「今まで学んできた建築の知識を活かしてできることが!」という熱く強い意志のもと、モンゴルへと派遣されます。
当初予定されていたのは、都市建築分野の講師の仕事。
それを務めさせてもらえないというもどかしい状況の中でも、大学の先生・生徒と協力し、ウランバートル周辺部に流入してきているゲルの問題について取り組んだそうです。
この研究は、授業のみで"教わる"こと一辺倒であった大学の勉強のあり方にも、大きな変化を与えたようです。
また、大地くんとの出会いの場所となった協力隊の訓練所では、「無理だろう」と言われていた中、高橋歩さんを招き講演会を行うことにも成功しました。
ひとつひとつの出会いが次のステップへとつながり、今に至っているんですね。
目に見えないものをみえるようにしていきたい。大切にしたい。
という言葉もしょうへいさんのあり方を象徴する言葉でした。
帰国後~今の仕事。
高橋歩さんが出版する「旅学」という雑誌に掲載する記事の依頼を受け、JICAと協力し現在企画を進行中とのこと。今月の「旅学」にはついに記事が載るそうです!楽しみですね!
お仕事では、カタールで国の都市計画策定に携わっています。(ドーハで有名ですね)
国の80%が外国人という、日本に住む私たちには想像もつかないような特異な環境。
石油や天然資源の恩恵を受け、1人当たりGDPが世界で2番目のカタールでは、身の回りのことは家政婦さんがこなしてくれるほどの本当に豊かな国。
20%の地元の人々はお金さえあれば何でもできるという印象だそうです。
裕福であることで満足していて、夢を持つことがない人たち。
そんなしょうへいさんが今考えること...
「HAPPYとはなにか」「どうしたらHAPPYになれるのか」
ということで、このあとのワークショップでは4~5人のグループに分かれて次のことについて語り合いました。
●これまでにそれぞれが見てきた国で感じた「その国のHAPPY」とは、どんなものだったか
●自分が見てきた「その国ごとのHAPPY」に対して、自分の夢や目標は、どのように関わりそうか
短い時間の中で、みんな話込んでいました。
第1部ではスピーカー×パネラー×会場と話が広がったことで聞き出せた話も多々あったようです。
続いて第2部は、ひとつの輪になっての語らい。
みんなから「ふたりに聞きたいこと!」を集めて輪の真ん中に置き、ふたりにその中から話題をいくつか選んでもらいました。
ちなみに、「ボールを持っている人が話すルール」を採用。ランダムにボールが行き交うわくわく感もありながらのセッションになりました。
4つの問いかけについて、それぞれが思うことを自由に話しました。
しょうへいさんの選んだ問いかけ
①目に見えないものをどうやって大切にするのか
②あなたにとって途上国とは
①では、しょうへいさんが大切にしていきたい目に見えないものとして恐怖・利益・愛情を挙げていました。例えば仕事上、色々な人と協働したりマネジメントに携わるそうですが、物事を進める上で決まった形を押し付けず、そこに関わる人の意思を尊重することを意識しているようです。
しおさんの選んだ問いかけ
①苦手なもの・ことは(いつも冷静なしおさんの弱点は?)
②自分の決断に自信をもっているか
②では、「仕事であれプライベートであれ自信が伴わないとその決断がぶれてしまう」
という意見から問いかけがスタートしました。
しおさんは決断までの「悩み」が大きい分、一度決断したあとは集中してそのまま走り抜けてしまうそうです。まさにやるならやらねばにつながっているんですね。
また、自信そのものについての話へも発展しました。
それぞれ少しずつでしたが、みんなが何を考えどう感じているかを
聞けたことがよかったなと思います。
前回までとは違う形で挑んだ第15回コンパスポイント。
これからの変化にもますます期待ですね。
今回もたくさんの刺激をありがとうございました!