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4月26日にNPO法人KOMPOSITION(http://komposition.org/)代表の寺井元一さんをお迎えして、第四回コンパスポイントを開催しました!
今回は土曜の朝にも関わらず24名ものメンバーが集まり、活発な議論が飛び交う熱い会になりました。
【プログラム】
1)寺井さんからのお話
2)ワークショップ:
「自分が最終的に、究極的に何がしたいのか、について考えてみよう!」
3)フィールドワーク :
寺井さんが思いを実現した場の一つである"リーガルウォール"を見学
【内容報告】
1)寺井さんからのお話
■KOMPOSITIONとは?
"表現者に活動の場所と機会を提供する。"ということを理念とした団体。です
どんな表現者でもいいかというとそういう訳ではなく、世の中のオジサンたちに説明して、彼らが「何だそんなもの認めない!」と言うような分野。
逆に、オジサンたちが「それは素晴らしい!」と言うようなものは僕らの専門外。
何度も何度も自分達が本当にやりたいことは何か、ということを突き詰めた結果、この理念にたどり着きました。僕らがやりたいこともあるし、僕らが果たすべき義務もある。そしてもっと自分を表現したい!と思っている人はたくさんいる。そんな思いから始まったのがKOMPOSITIONです。
■KOMPOSITIONの活動紹介
-はじまり
高田馬場のルノアールで友人同士話していたのがKOMPOSITIONの始まりでした。
活動の幅を広げ、23区~横浜市くらいまでを主な活動範囲として、現在に至ります。
事例①「クリエイティブシティ」
・桜木町をアート地帯として運営していきたいという行政からの依頼を受けて、1.2kmに渡る高架下を日本や世界各国から集まったアーティストにペインティングの場として開放しました。
・千歳烏山(世田谷区)の活性化。地域の行政センターの活性化のために、KOMPOSITIONができることを提案したころ、施設の入り口部分をアーティストの表現の場として開放してくれました。ホントは建物全部をペインティングしたかったのだけど、さすがにダメでしたね(笑)
事例②「ON THE WALL」
壁を寄付してもらい、アーティストが街中の壁に作品を作るというもの。最近では壁の一部に企業の広告を入れる試みも開始。壁のアートはどんどん書き換えられていき、それ自体をゲリライベント化するというのも面白いのではないかと思っています。
■KOMPOSITIONのこれから
まずは活動をたくさんの人に理解してもらいたいと思っています。
また、思っていることを実現するためにも事業の受託から自主的な活動への移行も進めていくつもりです。活動を正しく理解して、支援や寄付をしてくれる人を増やしていきたいという思いからウェブで決算の状況を伝える活動も始めました。色々な人からの反応にも手ごたえを感じているので、今年は事業とPRのバランスをとっていきたいと考えています。
■寺井さんご自身のこと
もともと社会企業家になりたいと思ったことはく、3年くらい代議士のもとで修行をする中で、世の中を動かす政党や圧力団体みたいな組織を作りたいと持っていました。
誤解を恐れずに言うと世の中は住みづらい、だから自分が住みやすいようにカスタマイズしたいと思っていたんです。"社会企業家"というと世の中の人に理解されやすいのでそう自分を呼ぶこともありますが、自分としてはそんな意識はなくて、もっと自分を表現できる社会や、心地よい社会ができたらいいなという思いが何よりも大事だと思っています。
自分はに関して考えてみると、全く経営者向きではないし、頑固でKOMPOSITIONのメンバーには「こんなことをやりたい!」と言っているだけの人間だと思います。シャイだし、話していることも矛盾していると思う。そんな自分は「こう思う!」と声高に主張する人の横でひいてしまうような人間ですが、ひいている人達のその声にこそ、何か世の中を変えるヒントが眠っているんじゃないか、だからこそ自分みたいな人間が声を大きくしなくてはいけないんじゃないかと思って、無理して声を出しています(笑)
-寺井さんはどんな学生だったんですか?
学生時代に映画製作をやっていて、下っ端として何もかも調達をして、調整をしなくてはいけない立場で頑張っていたことがありました。口だけではなくてちゃんと行動としてやりきるということを実践する中で、その後もそうやっていこうと自分の中で決めたんじゃないかと思います。
-自分の活動の決め方は?
目先のことは考えていない、というか興味がない。10年後・20年後に意味があるかということを基本的には考えて実行しているます。
-未来について考えていること
バブル以降日本の経済力は10倍くらい落ちているのではないかと思いますが、物価は変わっていない。でもこれは何かおかしいのではないかと思っています。だから今のような活動を続ける中で、40歳でKOMPOSITIONがだめだったら日本を捨てようかと思うほどです。それぐらい社会をもっと良くするために真剣に取り組んでいるし、自分達が最後の砦=KOMPOSITIONだと思っています。
■質疑応答
Q:活動を様々な人に理解してもらうために、どのようにしているのですか?
A.誰とでも訳隔てなくやれる活動だったらいいのですが、ちゃんと理解をしてもらえる人がいてこそ成り立つ活動なので、担当者(官庁や企業の人など)がすごく大事です。だからこそPRに力を入れて、抽象的になりがちな自分達の活動をしっかりと伝えていきたいですね。
Qアーティストと社会をつなぐという活動の中で、アートの価値はどう判断するのですか?
A.「アートは表現だけでよいのか?地域のアーティストや子供達の絵をアートとしてを入れるのか?」
など色々な課題があって、この活動を進めていく上で芸術の良し悪しの判断は難しいと思います。
でも良し悪しがあるとすれば、絵が気持ち悪くてもいいから、見た後に何かが変わるきっかけを作れるものが絵として価値があるものだと思います。
街中に絵がない方がいいと思っている人もいる。だから100人中100人に支持されなくても良い。ただ、自分達を応援してくれている人達の熱意に応えたいと思いますね。
Q.自分が住みやすい社会を作りたいという風に思っていた寺井さんが、政党からコンポジションに道を転向した背景は?
A.政治家の道を志していたのは、政治家って偉いんだろうと思っていたからなんだと思います。でも、
世論調査の手伝いをする中で、インプットの場は選挙。政治は全体のベクトルでいったときのアウトプット、根本を変えなくてはいけないと思っていた。だから自分の心の中では以前と考えていることは何も変わっていなくて、活動のスタイルがKOMPOSITIONになっているのだと思います。
Q.学生時代に社会に働きかけたい人、ビジネスシーンに出る人がいる。寺井さんが自分と違う道に進んだ人に対してどう思いますか?
A.すごいと思ったことはないし、すごいと思わないようにしています。そうしないと負けてしまう。
自分よりずっとお金を稼いでいる人がいても、その人がどれだけ社会に影響を与えているのかという点ではたいしたことがないのかもしれません。要は社会に対してどれだけのインパクトがあるかという軸で測っている気がします。
2)ワークショップ
「自分が最終的に、究極的に何がしたいのか、について考えてみよう!」
4つの班に分かれて、自分が究極的に何をしたいのかについて考えました。「旅をし続ける生き方をしたい」「家族を幸せにしたい」などなど、本当に色々な意見が出て、ひとりひとりの"らしさ"がにじみ出るとてもいい議論の場となりました。
しかし、いざ考えてみると、なかなか具体的に人に説明するのは難しいもんですね。
うまく伝わらなかったことや、喉まで出かかったけど言葉にならなかった思いを、
帰ってから反芻しつつ考えて、明日のアクションの糧にしたいっすね!
3)リーガルウォール見学
実際に渋谷の街にあるリーガルウォールを見学してきました!
普段何気に歩いている街に、こんなインパクトのある「アート」が存在していたなんて、
自分の視野の狭さにがっかり(!)と同時に、壁一面に広がるペインティングアートの
力強さと繊細さにただただ驚嘆するばかり!
あれ?彼の視線の先には何があるのでしょう?(笑)